介護保険

地域包括支援センターの対応がひどい!親の介護の相談窓口を上手に使い分けるコツ

こんにちは、介護相談ナースのさやみんです。

私は今まで対面やネットの相談窓口の相談員としておよそ1000件以上の介護や老後の相談対応をしてきました。

あなたはもしかして「親の介護」や「老後問題」で不安や疑問を感じていませんか?

そして「地域包括支援センター」という相談窓口を知ったけど、あまりよくない窓口だと思っていませんか?

介護で不安や悩みを感じている方の中には、

「地域包括支援センターの相談窓口を利用してみたけど、思っていたのと違い期待外れだった」

という方もいらっしゃいます。

ですが、私からすると地域包括支援センターの目的やサービスをしっかり理解していないと、このような状況が起こりやすいといえます。

例えば、就業の相談場所であるハローワークに

「もっと安いアパートはないか?」と

住む場所の相談に行くようなもの。

これだと、窓口の相談対応のスタッフも

「え?この相談はここではないですよ?」

となりますよね?(>_<)

きっとそんな状況になっている方もいるかもしれません。

そうなる前に、もしくはすでに地域包括支援センターにがっかりしている方に、改めて地域包括支援センターがどんな場所でどんなサービスを受けられるかについてお伝えしてみたいと思います。

介護で困ったら地域包括支援センターを勧められる理由

介護で悩みや不安がある方に、私ら相談員を含め、ネット上でも

まずは地域包括支援センターに相談しましょう

と勧められるケースは非常に多いです。

しかし、なぜ 介護問題=地域包括支援センター だと思いますか?

その答えは、

地域包括支援センターは

  • その地域の情報を豊富に持っている
  • 地域の介護サービスや支援につなぐことも可能
  • 要支援程度の介護状況であればケアマネになってもらえる

このような理由だからです。

私も病院の窓口やネット上で相談対応をしていますが、どうしても限界があります。

例えば

  • 担当ケアマネになってほしい
  • 施設やケアマネの情報がほしい
  • 地域に孤立した高齢者がいてサポートをしてほしい
  • 家族が介護保険の申請を拒否し、介護負担が大きくなっている

このような状況の場合には、地域包括支援センターが適切だと言えます。

病院やネット上の窓口では、どうしても「入院中」や「ネット上」という限られた時間、空間上のサポートをなってしまいます。

しかし地域包括支援センターはその地域の住民に対し、継続的&直接的にサポートをしてくれるため、どこの窓口よりも介護において包括的にサポートをしてもらえるという強みがあるのです。

つまり、地域包括支援センターの役割やサービス内容をしっかり理解し、適切に利用をすればあなたの介護の強力なパートナーになってもらえることでしょう。

地域包括支援センターの役割とサービス内容

ではその地域包括支援センターとはどのような組織なのかについて、難しい話ですが、できるだけ簡単にお伝えします。

地域包括支援センターは、地域の高齢者の心身の健康の保持、生活の安定のために必要な援助を行うことにより、保健・医療の向上、福祉の増進を包括的に支援する中核的期間とされています。

非常に難しいですが、要は

地域の高齢者のために「医療、保健、福祉」の視点で支援する組織

ということです。

具体的な役割というと、

  • 包括的支援事業
  • 介護予防ケアマネジメント

主にこの2つがあります。

ここで注意をしてほしいのは、地域包括支援センターは

「地域にいる高齢者の自立支援を目指す」

という方向性があることです。

詳細を書くと難しいのですが、地域包括支援センターでは、地域の「いきいき教室」などのような高齢者が集まって体操などをするような機会を主催したり、孤立している高齢者の巡回や見守りなどを行ったりしています。

また担当のケアマネも、地域包括支援センターのケアマネに引き受けてもらえることもありますが

「要支援」

の方限定です。

要介護が出ると、基本的に地域包括支援センターではケアプランは作成できません。

つまりは介護を状態を悪化させないような「介護予防」に重きを置いた、高齢者が自宅で元気に過ごすための支援が基本となるのです。

どんな相談ができるの?

上記で地域包括支援センターの基本的な役割を紹介しましたが、介護全般の相談は地域包括支援センターで可能です。

ですが、

対応可能=すべてカバーできる訳ではない

です、はい。

専門性などもありますので、そこは得意不得意があるもんです。

介護全般としても、具体的に言えば

  • 介護サービスのこと
  • 家族問題
  • 金銭面
  • 衣食住の生活全般
  • 施設入居
  • 認知症に伴う管理能力
  • 終活・遺産
  • 病気・治療

などがぱっと考えただけでも上がってきますが、このような多様な分野の相談をすべて一つの窓口でカバーできモノではありません。

介護サービスや生活の問題などは地域包括支援センターで得意な分野とも言えますが、法律や医療など他の専門性が問われる相談というのは、別の窓口を利用した方がいい場合もあるのです。

「ひどい!」「思ってたのと違う」と思ってしまうよくある勘違い

なんとなく、地域包括支援センターの対応範囲や「ひどい」と思ってしまうような原因について分かっていただけたでしょうか?

では、実際に地域包括支援センターを利用してがっかりした人によくある勘違いや特徴をお伝えしたいと思います。

すべて地域包括支援センターがやってくれると思っている

地域包括支援センターはあくまで相談窓口です。

そこで情報を入手したら、動くのはあなた自身。

介護保険の申請も、地域包括支援センターではできません。

ですので、「地域包括支援センターに相談すればそれで解決できる」と思うのはやめてくださいね。

施設に入居したいのに、情報を教えてもらえなかった

上記でも書いた通り、地域包括支援センターは高齢者の自立した生活をサポートすることに重きを置いているため、施設入居を検討するような介護度の重い方というのは、地域包括支援センターの不得意分野にあたります。

「それにはまず介護保険を申請してから考えましょう」

と言われた方も多いのでは?

すぐに入居したい!

とあなたは考えていても、介護保険の申請や手続きには、1か月もの時間と手間がかかるのです。

この対応は決して地域包括支援センターがひどいものでも、間違っている訳でもありません。

ですので、介護施設への入居に関しては、早めに介護保険を申請し介護度が出たうえで、担当ケアマネさんを見つけてその方に探してもらうか、ネットなどを活用し、介護保険未申請でも入居可能な施設や今の状態で入れる施設を見つけてもらうのがいいでしょう。

介護保険の対象外

そもそも地域包括支援センターの利用対象になるのは、地域に住んでいる65歳以上の高齢者です。

ですが、中には65歳に満たない方で病気などを理由に介護の相談をしたい方も多くいらっしゃいます。

地域包括支援センターにも軽く相談はできると思いますが、そういった病気が絡む場合には病院などの相談員に相談した方がスムーズにすすむでしょう。

このほっとラインでも病院などで活躍する相談員が在籍していますので、お困りの方はご利用してみてください。

その地域に住んでいない

意外と多いのが、本人である親などと離れて住んでいるようなケースで、子供が子供自身が住んでいる地域包括支援センターに相談してしまうケースです。

地域包括支援センターはその地域に住んでいる高齢者の支援をするためにあります。

つまりは、親自身が住んでいる地域に相談をしないと意味がないんですね。

ここを勘違いしてしまうと、

「ここでは対応できません」

と言われてしまうのです。

とは言っても、飛行機や新幹線の距離にある地域にわざわざ相談に行くのも大変な方も多いですよね。

このほっとラインは医療・介護の専門家に24時間いつでもスマホだけで相談できるサービスですので、このような方でも気軽にご利用いただけます。

地域包括支援センターで働いた現状

実は私は以前、退院調整看護師の実習で地域包括支援センターに訪問し、スタッフのに同行し、お仕事を学ばせていただくという経験をさせていただきました。

そこでは保健師さんや、社会福祉士さん、介護支援専門員(ケアマネさん)などの方が、支援困難な方のご自宅に訪問したり、窓口で相談対応をしたり、病院やクリニックを連絡を取り合ったり、地域の高齢者教室で元気を振りまく姿を見てきました。

ごみ屋敷で医療も介護も拒絶している独居老人の方にも、必死に説得を続けたりと私らの見えないところで必死に働いている姿を見て、悲しいニュースになってしまうような方もいるけど、こうやって救われている方もいるということが実感できました。

何より、「地域の方たちに寄り添いたい」という想いに非常に胸を打たれました。

地域包括支援センターの仕事は相談対応だけではありません。

このような地域住民に寄り添った業務をされている、素晴らしい組織なんです。

ただ、上記で書いたようになんでも解決できる場所ではないということは、皆さんに理解していてほしいと思います。

介護相談の窓口を上手に使いこなすコツ

最後に地域包括支援センターを含め、介護の相談窓口を上手に使いこなすためのコツをまとめます。

上手に介護の相談をするコツ
  1. 自分が相談をして「どうなりたいのか」その目的を明確にする
  2. その目的に応じた相談場所を選ぶ
  3. 地域包括支援センターなどの相談場所でできること・できないことを理解する
  4. 相談して「すべて解決できる」とは思わず、納得できない場合にはいくつかの窓口を併用しましょう

何より大切なのは、あなたが相談する目的です。

介護で困っているという悩みを相談した場合、相談員としては

  • 介護サービスを利用したいのか
  • 施設などを検討しているのか
  • あなた自身や家族は介護をしたくないのか、どの程度までなら協力できるのか

このあたりが重要になってきます。

やみくも相談をするのではなく、あなた自身もある程度内容をまとめ、どこまで出来てどこまでが無理なのかをしっかり伝えるようにしましょう。

そのうえで、もっと具体的に目的が「施設入居」や「介護保険の申請」などと決まっているのであれば、より適切な相談窓口や手続きの窓口に出向いた方がいいでしょう。

もしわからない場合には、こちらのほっとラインでもスマホから簡単に相談ができます。

「こんなこと、聞いていいのかな?」

と思うような内容でも、ネットなら気軽に相談できますので、ぜひご検討くださいね(*^-^*)