介護の問題は突然やってきます。
「このままだと、家庭が崩壊する…」
「誰か助けて!何か方法はないの?」
そんな切迫した状況で相談窓口を探している人も少なくないでしょう。
これを書いている私は、看護師として急性期病院の相談窓口で介護や老後、医療などさまざまな「相談対応」の仕事をしてまいりました。
もちろん介護の相談も非常に多かったので、介護で悩まれている方のお気持ちは少しはわかっているつもりです。
ですが、介護の問題というのはその家庭や、本人家族の考え方で案内する解決法も大きく違ってきます。
ここを見ているあなたは
「身近に介護を相談できる窓口はないの?」
「市役所に行けば、介護の制度について教えてもらえるんじゃ?」
と思っていませんか?
介護相談員経験者の私が、市役所における介護相談の立場やできることと、できないことを分かりやすくお伝えしたいと思います。
介護の相談は市役所できるのか?
まず市役所に介護の相談ができるかどうかという点ですが、答えは「YES」です。
市役所にも「介護保険課」などの名称の部署があるので、そこで介護保険や介護に関する相談は可能です。
また介護保険を申請する際は、本人が住んでいる地域の市役所や役所が窓口になるので必ずそこで手続きが必要となります。
ですが、すべての方が市役所に相談に行けばいいというわけではありません。
次に相談に行く前に知っておいてほしい注意点をお伝えします。
市役所に相談する前に知っておきたい注意点
まず市役所がどのような場所でどんな役割があるのかを理解してもらえればと思います。
実際に窓口に出向かなければならない・電話相談は基本的に不可
市役所の窓口は、実際に本人が住んでいる地域の窓口に直接行きましょう。
というのも、介護の制度は全国共通でも、地域によってその解釈や使えるサービスが異なったりするためです。
ですので本人が住んでいる自治体の役所の窓口に相談するのがベストです。
また、窓口にアポを取るための電話連絡なら構わないのですが、電話で長時間相談の話をするのは控えたほうがいいでしょう。
というのも、冒頭で書いた通り介護の相談というのは、その家庭やその方の状況に応じて案内が大きく変わってきます。
一概に○○しましょうとは言えません。もしそういう相談対応をされたら、「簡単に済まそうを思っている」と認識した方がいいと思います。
少なくとも私個人的には、その方の家族状況や経済状況、健康状態や持病、最終的に本人家族の想いまですべて把握できないと介護のプランは語れないと思っています。
話はそれましたが、相談する立場としても時間をとってじっくり話できる環境を作るのも重要です。
対応するのは「市役所の職員」
市町村などの自治体の役所の窓口で対応してくれるのは、その自治体の職員です。
もちろんそこには「ケースワーカー」などの専門資格を持った方もいると思いますが、必ずしもその資格を持った方があなたに対応してくれるわけではありません。
ちなみに介護の専門家というのは
- ケアマネジャー
- 社会福祉士
- 介護職員
- 相談員
- 看護師・保健師
などの専門資格を持った人のことを一般的に言います。
ですが、市役所の窓口では絶対にこのような専門家が対応するとは言い切れません。
市役所は「介護相談」以外の業務が多岐にわたる
想像できる方も多いと思いますが、市役所はさまざまな窓口が存在しており、多数の来所者で混雑していることが多いですよね?
ニュースなどのメディアでも、
「相手にされなかった」
「相談したのに、軽くあしらわれた」
というような不満や体験談を目にすることもあります。
市役所などの幅広い業務を扱う場所で、「介護相談」というのはメインの業務ではないことはお判りでしょうか?
確かに相談は可能ではありますが、そこでじっくりと話を聞いてもらえるのかは別の話。
もちろん
とりあえず「パンフレットをもらいたい」「申請用紙が欲しい」というような方は市役所に行けばばっちりです!
市役所は「相談」するよりも「手続き」を行う場所
私の個人的な見解も含めますが、まとめると市役所という場所は「手続き」をすすめる場所であって「相談場所」ではないと思っています。
役所の職員も手続きをスムーズに進めるために、話をどんどん先に進めたりはするでしょうが、そこでじっくり 時間をとって話を聞いてもらうと言うのはなかなか難しいと思います。(実際にじっくり向き合ってくれる職員さんもいますが、下記で説明する相談窓口に比較すると可能性は低いです)
中には「相談をするなら、別の窓口に行ってください」というような案内をされたという人も過去にいました。
では「相談」を目的とするなら、どこの窓口へ行けばいいのでしょうか?
相談をするなら地域包括支援センターへ
答えは「地域包括支援センター」です。
この地域包括支援センターは各自治体に必ず存在する窓口で、介護相談を主に対応してくれます。
そこにいる専門家は
- 保健師
- ケアマネジャー
- 社会福祉士
などで、相談業務をメインの役割としていますのでじっくり相談者に向き合って話を聞いてもらえるでしょう。
そして地域のサービスなども紹介してもらえたり、必要に応じて自宅訪問をしてもらえたり、担当のケアマネとしてケアプランを作成してもらえることもあります。
このあたりは状況に応じてということになりますが、地域包括支援センターで相談をして、市役所で手続きを進めていくと言うのが理想的と言えます。
ぜひ介護の悩みを相談したいと思ったら、
「○○市(自治体名) 地域包括支援センター」
で検索してみてください。
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