こんにちは、介護相談ナースのさやみんです
私は今まで退院調整看護師として、病院の患者さんやご家族の介護などに関する悩みの相談を受け、自宅で介護する方のサービスを案内したり、施設を選ぶお手伝いをさせてもらっていました。
(今はネットでこのようなサポートもしています)
その中で、多くの方が悩むのが「老人ホームについて」。
もちろん、選ぶ際に悩むのは当然ですが、中には
老人ホームの入居トラブルに関する相談
を受けることも少なくありません。
ですので、今回は老人ホームにまつわるトラブルと、その相談内容さらにはトラブルに合わないためのコツについてもお伝えしたいと思います。
介護施設・老人ホームに関するトラブルは非常によくある話
ここを読んでいただいているあなたは、いつかの話も含め
- 親を老人ホームへ預けたい
- 老人ホームや施設ってどうやって選べばいいの?
- 似たような老人ホームがありすぎて分からない
- 安い施設を選びたい
- 施設選びで失敗したくない
- 入居してみたら思っていたのと違った・・・
などと感じてはいませんか?
誰だって高額なお金を払って入居する老人ホームは失敗したくないし、
「ここを選んでよかった」と思えるような場所に決めたいですよね。
でも多くの方がそうやって悩んで施設への入居を決めているにも関わらず
「入居してみたら最悪だった」
「こんな施設だと思わなかった」
と感じて、施設選びを後悔してしまうケースが後を絶ちません。
介護の施設や老人ホームに関する相談内容
施設入居に関するトラブルは「国民生活センター」で、統計などがまとめられています。
実際に、このような調査結果を報告しているほど、老人ホームの入居トラブルは社会的に問題になりつつあります。
国民生活センターのサイト👇
では主にどのような相談が寄せられているのか、具体的にお伝えします。
相談①:入居後にすぐ退去になってしまう
ほとんどの方が
「老人ホーム=人生の最後を過ごす場所」
と考えていると思いますが、現実はそうではありません。
実際には入居後半年も経ってないのに、「退去」を命じられて泣く泣く次の老人ホームを探すようなトラブルもあります。
その理由については、病気であったり、認知症であったり、方針だったりと、話すと長くなるのでまたお時間をとってお伝えさせていただきますね。
施設側からこのような退去を命じられた場合には、利用者側としては従うしかないでしょう。
ですが、私ら専門職側からすると入居前の情報収集や見学、打ち合わせである程度予測することは可能だと思っています。
(この辺りもまた後でお伝え出来たらと思います。)
相談② 高額な入居金の不正請求
老人ホームに入居するには100万単位のお金が動くとされています。
中には億を超えるような超高額な老人ホームもあります。
あなたはもしかして
「高いお金を支払ったんだから、サービスや入居後の生活は間違いないだろう」
と思っていませんか?
その事実は絶対にありえません。
中には、入居金も支払い、あとは落ち着いた生活が待っていると思っていても、言われていた月額費用よりも徐々に請求額が高額になっていくようなトラブルが非常に多いです。
私が聞いた中では、月額の支払いが5万以上増えてしまったというトラブルもありました。
この理由も施設側の事情が絡んできます。
詳しい話はまた次回ということにして、このようなトラブルが実際に起こっているということを知ってもらえたらと思います。
相談③ 戻ってくるはずの入居金が戻らない
老人ホームなどの施設入居においては「クーリングオフ制度」が使えます。
入居後90日以内であれば、入居一時金が返還される仕組みです。
しかし、このようなルールがあっても実際には
- 返還を渋られる
- 入居部屋のリフォーム代などをして返還を拒否される
- 入居した分の費用を差し引いて減額される
などのトラブルが実際に生じています。
このケースの場合には、法的措置は取れますがそのための手間や費用を考えると、利用者側が疲弊し、あきらめてしまうようなこともありました。
介護施設のトラブルを相談できる窓口は?
このような介護施設や老人ホームでトラブル被害に遭ってしまった場合、どうしたらいいでしょうか?
相談出来る窓口を紹介します。
消費生活センター
こういった介護に関する施設や老人ホームのトラブルをまとめている機関として「国民生活センター」というものがあります。
このような相談を対応してくれているのが、消費生活センターです。
よく「188(嫌や)」という番号を聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
まずは身近なこういった電話相談窓口を利用してみましょう。
【消費生活センターのサイト】
https://www.kokusen.go.jp/map/index.html
弁護士などの法律専門家
トラブルや相談の中身が、高額な金額となる場合には弁護士などに直接相談する方法もあります。
以前に施設トラブルで、契約者と施設側が真っ向から対立し、契約者側の家族がかなりお怒りなったことがありました。
その際は
「弁護士をつけてでも戦います」
と意気込んでいた方もいます。
その後どうなったのかは存じ上げていないですが、このような介護施設トラブルでは法的措置をとることも可能です。
しかしそのための費用や時間など莫大な労力を費やすことになりますので、結果的には泣き寝入りしてしまう方も少なくありません。
ケアマネや病院の相談窓口へ
もし身近でケアマネや病院などの相談窓口があったら、そこに相談をしてみましょう。
「そんな窓口で解決できるの?」
と思うかもしれませんが、実はこういった施設関連のトラブルというのは、些細なことが原因で起こったりするものです。
例えば退去の原因が
「薬や医療処理の管理ができない」
というものであれば、その原因となる薬や処置を変更すればいいだけだったりするのです。
ですが、直接それを本人や家族から担当医に伝えても、伝わらないことの方が多いです。
なので、ケアマネや病院スタッフなど使える人やツールを活用して、うまく動かしていくことができるのがこの方法です。
どんな方法があると言うのは個別の状況にもよりますので一概にお伝えはできません。
しかしこのほっとラインでも私らアドバイザーの経験からトラブル回避の方法などを一緒に考えさせてもらいますので、自分に何か解決策があるのか知りたい場合にはぜひこちらをご利用ください。
最後に…
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回は施設関連のトラブルについて書きましたが、最後にどうしても伝えておきたいことがあります。
ここでいう「老人ホーム」とは、すべての介護施設のことではありません。
一部のこのようなトラブルにつながる施設があるという意味で、地域には利用者さんのことを考えてくれる素晴らしい施設がたくさんたくさんあります。コロナ渦でも必死に取り組んでいる施設ばかりです。
そういった施設をほっとラインも応援していますが、どんなにいい施設でも利用する側、される側双方が「適応」しないとこのようなトラブルにつながりかねないとも言えます。
ですので利用する側の皆様にも、介護や施設の情報などを自分で集めたり、見極める視点を持てるように心がけていただければと思います。