あなたもしかして担当のケアマネジャーが
「合わない」
「希望通りにならない」
「むかつく」
と感じてはいませんか?
むかつくというのは、少々極端ではありますが、家族側としては
「もっとこうしてほしいのに、全然コミュニケーションがとれない」
というような理想とのギャップで悩んでいる方も多いと思います。
私も介護相談を受ける立場ではありますが、中でも担当のケアマネジャーとの相性やケアプラン、方向性に関する相談というのは非常に多いです。
では、もし担当のケアマネジャーと相性が最悪、むかつくなどと感じた場合にはどうしたらいいのでしょうか?
きっとみなさん、イライラしていてもなかなか波風を立てたくない方も多いでしょうから、できるだけ穏便に可決する方法をお伝えしてみたいと思います。
ケアマネがむかつく理由
まずケアマネがむかつく理由の中でよくある理由をざっと挙げてみたいと思います。
あなたに適するものがあれば、参考にしてもらえると嬉しいです。
- ケアプランに希望が反映されない
- 態度が悪い
- 全然顔を見に来ない
- 家族を無視する
- 家族に介護を指示する
- ある特定の家族だけをひいきする
- 他の介護スタッフに態度が悪い
こんな感じでしょうか?
ケアマネとの方向性が合わないと感じる方が知らない真実
上記で書いた理由の中でも
「ケアマネと方向性や意見が合わない」
と感じる家族は非常に多いです。
しかし、なぜ意見が合わないのかという点で私から少しケアマネを擁護させてください。
もちろん、ただケアマネが一方的に本人や家族の希望を聞かずに意見を主張している場合もありますし、もしケアマネの本音がわからない場合にはぜひほっとラインに相談してみてください。
合わないケアマネの中には本当に本人家族を思っている人がいるという事実
どうしてあのケアマネはあんなに頑固で、方針を変えてくれないんだろう…?
そう感じているあなた、もしかしたらそのケアマネさんは本当はめっちゃいいケアマネさんかもしれません。
その理由は、ケアマネさんは「今」ではなく「数年後」を見ているかもしれないからです。
例えば、認知症の方の例でお話しましょう。
よく認知症の方やご家族から相談を受けるのは
もうお母さんも嫌がっているからやめさせたいんですけど…
こんな介護相談があったとします。
ですが、私からするとそのケアマネさんは素晴らしい人だと思います。
どうしてだと思いますか?
今の支援が数年後の負担を軽減することもある
認知症は、進行を遅らせることはできても改善は難しいとされています。
つまりは数年後、よければ今の状態のままであり、悪ければさらに症状が進行していると言えるでしょう。
私もたくさんの認知症の方を見てきましたが、症状が進行した認知症の方というのは
- 新しい人やものごとを嫌う・怖がる
- 性格が強くなる
- モノとられ妄想などが見られる
このような状況になる傾向が強いです。
そうなって、家族が「もう限界」と思った時には、進行した認知症患者を快く受け入れてくれる施設や介護サービスというのは激減してしまうのです。実際に悪化してから「サービスを受けたい」という方もいますが、受け入れ先がかなり限られてしまったり、希望する施設から受け入れ拒否されるケースもあるのです。
逆にデイサービスにずっと通い続けていた方が、自宅での介護が困難になった時に
「うちで受け入れます」
と快く入居を受けてくれる施設もあります。
このように認知症や病気などが関係するケースでは、「軽い初期の状態」から通い続けて見守ってくれる施設やサービススタッフと付き合っていく方がお互いに信頼関係も築けて、本人の抵抗も少なく、症状の悪化も遅らせることができるという大きなメリットがあるのです。
ケアマネもこのような理由を説明してくれることもあるかと思いますが、ご家族の中には
「どうして家族の意見を聞いてくれないの?」
と熱くなっていて詳しい理由があまり頭に入らない方も少なくありません。
あなたもケアマネさんと意見が合わないと感じていたら、一度ケアマネの方針の意味や目的を考え直してみましょう。
ケアマネとの相性が最悪だと思った時の対処法 3つ
ではケアマネとあわないと感じた場合にはどうしたらいいのでしょうか?
今すぐできる対処法を3つお伝えします。
何よりもまずは関係者をすべて集めて話し合う
一番大切なのは、ケアマネも本人も家族も、他の担当者もすべてひっくるめて打ち合わせを行うことです。
サービス担当者会議ともいいますが、このような機会を設けることで、介護に携わるすべての方が意見を出し合い、その結果チーム一丸となって同じ方向性で進むことができます。
病院などでもカンファレンスと呼ばれ、その患者さんに関わるチームスタッフで、さまざまな視点から意見を出し合い、どうしたら本人や家族の最善になるのかを協議しているんです。
この会議や打ち合わせは決してスムーズにいくものではありません。
チームスタッフそれぞれが、別の視点を持っているのですから当然です。
ケアマネであれば介護の視点、看護師な治療やそれに携わる人の視点、医師なら治療方針、リハビリなら体力や自宅の環境など、様々な意見が出るのがこの会議なのです。
それに一番大事なのは、ご本人と家族の考え方。
ご本人や家族がどう考え、どう生きたいのかをしっかり理解し、そのうえで必要な選択肢とメリットデメリットを提示し、選択できるようにしていくのが私らの責任だと私は考えています。
もしこのような機会も作れないようなケアマネなら、すぐ変更した方がいいでしょう。
介護の相談窓口に相談する
上記のような話し合いをしてもなお、なかなか解決ができない関係性なのであれば、ケアマネが所属する居宅介護支援事業所や施設の別の上司などに相談をしてみる方法もあります。
少し勇気は必要ですが、このまま別の考え方で進んでいくのは非常に危険です。
考え方に相違があることを伝え、上層部に対応をゆだねるという手もあります。
もしくは、まったく別の窓口に相談するという方法もあります。
ケアマネのことでも、病院の相談窓口が対応する場合もあります。
実際にケアマネが合わない、変えたいという方が相談に来られて、結果的にケアマネを選びなおし変更したという事例もありました。
このように直接ケアマネ本人に言いにくい場合には、他の人や窓口に相談をしてみてもいいでしょう。
ケアマネを変える
最終手段は、ケアマネを変えるということです。
ムカつくほど関係性が悪化しているのであれば、ケアマネを変えてしまうという手段もアリです。
そんなこと、直接本人に言えない、と心優しい方は思うかもしれませんが、これもケアマネという仕事柄仕方ないことと割り切っている方もたくさんいますよ。
私の個人的な考えでもありますが、関係性が悪い事例では、相手方のケアマネもうすうす感づいていることがほとんどです。
しかしケアマネ側から、相性を理由に契約解除を一方的にすることはできません。
ですので、お互い最悪な雰囲気を感じ取っているくらいなら、思い切って変更を申し出てもいいと思います。
ケアマネと合わないことも当然!我慢せずに意思をしっかり伝えることが大切
何より一番大切なのは、「これでいいのかな?」ともやもやした気持ちをそのままにしないこと。
介護は長ければ5年10年と続いていきます。
その長い介護のパートナーは、他でもないケアマネジャーですよね?
お互いに信頼関係を築き、なんでも話せる関係でいられることが理想ではありますが、人間同士なかなかうまくいかいこともあるし、言いたいことも言えないという事情もよくわかります。
ですが、ケアマネも一人一人が信念をもって取り組んでいる(はず)です。
ケアマネにとっても本人、家族の意志は何より重要です。
あなたが「言ってもいいのかな?」と思うことは、どんどん伝えて、そして納得がいかないのであればここでお伝えした対処法を参考にしていただけたらと思います。
あなたの介護がより良いものになりますように。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。