こんにちは、介護相談ナースのさやみんです。
ここでは私の気持ちや少しだけ介護に役立つような情報をコラムとして紹介していこうと思います。
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私は今まで1000件以上の介護や医療の相談対応をさせてもらってきたのですが、「介護」で相談に来られる人ってどんな人だと思いますか?
- 毎日の重い介護で心身ともに疲れている
- 孤独でうつになりそう
- 社会的に孤立している人
いろいろなイメージがあるかと思いますが、実際に私が見てきた「介護」で悩む人について私の考えを書いてみたいと思います。
介護度が重い方で相談に来られる方は案外少ない
私は「病院の中にある」の介護・医療の相談窓口で働いていたので、そこでの実体験になりますが、相談に来られる方というのは、毎日の重い介護で心身ともに疲れているという人は意外に少なかったんですね。
もちろん、要介護5のような状況になるまで介護保険も利用せずに自宅で介護放棄のような状況で来られる方や、認知症の介護を限界まで頑張って、介護うつで倒れるギリギリで駆け込む方も中にはいましたけど…
なぜだと思いますか?
介護の状況が進んだ段階ではすでに、ケアマネさんや他の介護サービスなどを利用されて
「頼れる人と繋がっている」
からです。
毎日の重い介護で疲れているような方というのは、長い介護生活の中で自分なりに解決方法を見つけ出している方も多いですし、
「これ以上相談しても仕方ない」
「他に使えるサービスや制度はない」
と理解されているような方も少なくありません。
相談窓口を利用する主な理由とは?
私のような相談窓口に来られる方というのは
- 誰に相談していいのかわからない
- 突然のことで戸惑っている
- 基本的なサービスや制度を知らない
このような方が多いです。
先ほど書いた、「長年介護を経験してきた家族」とが全く違う状況ですね。
「親が転んでけがをしたら、手すりが必要になった」
「脳梗塞になって、家でもリハビリが必要になった」
「母親が亡くなり、一人暮らしになった父の買い物が不安」
このような、0⇒1で問題が発生し、この先の不安を感じて介護の相談に多くの方が来られます。
いわゆる病気やケガなどを理由に突然今までの生活が一変し、相談するようなケースです。
介護って「自分には関係ない」と思っていませんか?
私は今まで病院の相談窓口で働いてきましたが、介護で困っている方の多くが
「自分が介護?」
「介護保険って何ですか?」
というような、介護に無関心な人ばかりでした。
中には、今までやってきた親のサポートを「介護」だと自覚していない人まで…汗
それもそうですよね…
知識や情報がすでにあれば相談窓口に駆け込む必要性はないはずです。
それでもあまりにも「介護や老後の情報」というのが、必要な人に届いていないという状況でしたし、自身が「当事者」になるまで、無関心のままでいてしまう、いても何も問題ない、という状況は今の日本の社会の課題でもあると私は思っています。
ですので、もっと身近に相談できる窓口と手軽に情報や制度を知ることができるツールが必要だと感じて、このほっとラインを作ることにしました。
親は「いつまでも元気でいる」という過信
人間、生きていればいつか死にます。
でもなぜか自分の親って、いつまでも元気でいてくれると信じていませんか?
かつての私自身もそうでした。
自分の子供が生まれて、「いいおじいちゃん、おばあちゃん」としてかわいがってくれる。
この調子ならひ孫の顔が見られるんじゃないか?
子育てに困った時には自分の親に手伝ってもらおう!
そんな風に思っていた矢先、母が転んで骨折し、動けなくなりました。
一人っ子だった私は、何もわからない中、手術や入院、転院先の手続きなど時間を追われ、親の人生の選択を迫られ、自分自身の家庭や仕事を犠牲にし、病院へ何度も足を運ぶ…
そんな日々を経験し、「介護」「老後」のトラブルは突然やってきて、今までの日常を大きく壊すものなのだということを身に沁みて痛感しました。
介護というイメージがどうしても、「動けない」「車いす」「認知症」「施設」などというようなイメージを持っているがゆえに、元気な親に対し介護のイメージを持ちにくくなっているともいえます。
だから私は「介護」というキーワードが好きではないんです。
介護も老後も死ぬのも、全部同じひとくくりの人生。
そんな人生が終わってゆく過程を支えられる場所になりたいと思っています。
介護で疲れてしまう人は責任感が強い人が多い
自分自身が親の入院・介護に直面したのもありますが、たくさんの方から生活や介護の相談を受けて学んだことは
介護=自分や家族だけで解決できると思ってはいけない
ということ。
最近のネット普及もそうですが、みなさん自分でできる限りのことを調べたりして、
「ギリギリまで努力」して限界が近くなってから相談に来られます。
自分がしなければ…
そうやって介護者である自分を追い込んでいるんです。
介護が必要な高齢者というのは、徐々に状態が悪化していきます。
ですが一緒に生活する家族は、ずっと一緒にいるがゆえにその変化に気づきにくくなっていたり、介護のストレスや負担でそのような変化を見えないことにしてしまうことがあります。
介護者である家族自信が、親の悪くなっていく状態を《本能的に》見て見ぬふりをしたり、盲目になってしまうんです。
それに気づいてしまうと、自分がさらに追い込まれる、そう感じるんでしょうね…
だからこそそうなる前に、周りにヘルプを出せる人・客観的に判断をしてくれる第三者を作っておく、ということが大切。
私は介護問題は家庭内だけで抱えこんではいけないと考えています。
なので少しでも不安を感じたら、近くの窓口に相談してみましょう。
相談窓口でも見放される?
ただ、すべての方が「誰にも相談せずに抱え込んでいる」というわけでもないんです。
介護や老後で困った時に、まず窓口に相談に行く方も少なくありません。
でもなぜ、そこでサポートにつながらないのか…?
それは窓口の対応が、忙しい&形式的&表面的だから。
私自身がそうだったので、偽りなくお話すると、私も何度も
「まだ大丈夫でしょう」
「いや~その案件はちょっと勘弁願いたい」
正直そう思うようなケースから逃げてきました。
窓口でできることというのは非常に限られています。
- 制度やサービスの紹介
- 施設の空き状況や入居条件の照会
- ケアマネにつなぐ
このような感じです。
もちろん地域包括支援センターなどは、地域の見守りや自宅訪問などさまざまな役割がありますが、そういった対象になるには、ただ窓口で相談しただけでは対象にはなりません。
その入り口にはなりますけどね…💦
じゃあどうするのか…?
というのは、またこういったコラムの中で紹介していこうと思います。
介護で疲れないために上手に窓口や制度を利用する方法
このように介護や老後の問題を切り抜けていくには、地域や社会とのつながりも必要ですし、上手に生き抜くための情報やノウハウのようなものを知っていた方が絶対に損をしません。
その情報を私が今まで退院調整看護師として培った経験・知識をもとにここでお伝えしていきます。
ただその情報を100%を鵜呑みにするのではなく、ここを読んでいる一人一人が
「自分には本当に必要な情報か?」
「自分はその対象になるのかどうか」
ということをしっかり考えながら情報を選んで取り入れてほしいと思います。
日本の社会は決してやさしい社会とはいえません。
「弱者を救う」なんて言うのは、口だけだとも思っていますし、私自身そう感じています。
だからこそ、いやらしくても、ずるいと思われても、裏を知ってうまく介護や老後をうまく切り抜けてほしいと思うんです。
とは言っても、法に触れるとか過激な内容ではありませんのでご安心を(笑)
一人一人が納得して、介護や病気に向き合えることを何より願っています。
ではまた次回から役立つ情報をお届けしていこうと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!